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渡り鳥衛星追跡の仕組

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アルゴスシステムによる衛星追跡の仕組

―図解―

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イラスト:重原美智子

本プロジェクトで実施する衛星追跡は、アルゴスシステムを利用したものである。アルゴスシステムは環境情報の収集を目的とする、位置算出・データ収集システムであり、米国・フランス・欧州連合などの国際協力により運営されている。アルゴスシステムを利用する場合、まず必要なのは、対象個体に衛星用の送信機を装着することである。送信機は5~50gほどの重さで、背中や首環に取り付けられ、400MHz帯の電波を送信する。

送信機から発射される電波は、米国の気象衛星NOAAおよび欧州連合の地球観測衛星METOPなど、複数の衛星に搭載されたアルゴス受信装置で受信される。これらの衛星は地上約800kmの極軌道をおよそ100分で周回している。衛星の受信装置は受信電波の周波数を計測し、受信時刻、受信データとともに地上の受信局に再送信する。地上の受信局に送られた情報は、フランスなどにあるアルゴス情報処理センターに転送されたのち、緯度と経度の位置情報などに変換される。これらの情報は、インターネットなどを通じて利用者のもとに送られる。衛星が電波を受信してから位置情報などが得られるようになるまで、早ければ2,30分程度である。

アルゴスシステムによる衛星追跡では、取得できる位置の精度があまり高くない。位置の精度は、送信機の送信周波数の安定性、衛星が送信機上空を通過する10分前後の間に電波を受信した回数などによって毎回異なり、クラス1,2,3,0,A,Bに分けて表示される。静止しているものの場合、クラス1,2,3それぞれの精度(測定誤差)は、500~1,500m,250~500m,250m未満である(アルゴスオンラインマニュアルより)。クラス0の精度は1,500mを超え、上限は特定されていない.クラスA,Bはさらに精度が悪く、本プロジェクトでは、時間と移動距離にもとづいてその位置データを使用するかどうかを判断している。

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