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ごあいさつ

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ハチクマプロジェクトへようこそ!

―プロジェクトの概要をかねて―

毎年、鳥たちが春や秋に渡る様子は、国内外の多くの人たちの関心の的になっています。これまで鳥類の渡りを追跡することは困難でしたが、近年、人工衛星を利用した追跡法、衛星追跡が確立され、大型から中型の渡り鳥の移動の様子をほぼリアルタイムで克明に追跡することができるようになりました。

本プロジェクトは、そうした衛星追跡による渡りの状況をウェブ上で一般公開し、国内外の多くの人に見てもらうことによって、鳥の渡りや自然の仕組についての理解を深めてもらうことを目的としています。ウェブ上で刻一刻と進行する渡りの様子を見るのは大変刺激的であり、大人から子どもまでをふくめて、社会教育、学校教育、環境学習などに大きく貢献できるものと思われます。

追跡の対象はハチクマ、タカ類の1種です。ハチクマはハチ類を主食にしている変わったタカで、クロスズメバチやキイロスズメバチなどの巣から、幼虫や蛹を取り出して食べます。ハチクマは、東南アジア方面から日本に5月に渡ってくる代表的な渡り鳥です。日本では巣をつくり、卵を産み、子育てをして、秋にまた南に戻っていきます。これまでの研究結果からすると、ハチクマは9月中下旬から10月 はじめころに本州の繁殖地を出発し、近畿、中国、九州各地方を経て東シナ海を渡り、中国大陸に入ったのち、南下して東南アジア方面に渡ります。到着時期は、11月中~下旬と予想されます。

ハチクマをはじめとした渡り鳥は、いくつもの国にまたがって数千キロ、あるいは1万キロを超える距離を移動していきます。まさに、渡り鳥に国境はありません。渡り鳥は各地の自然をつなぎ、またそこでくらす人々をつないでいるといえます。渡りとは壮大な自然のドラマであり、渡り鳥は平和や幸福の象徴とみなすことができます。

私たちが追跡するハチクマは、実際にはどのような経路で南下し、いつ、どこに到着するのでしょうか。また、翌春、どのようにして日本に戻ってくるのでしょうか。どこの自然や人たちとつながっているのでしょうか。国内外の数多くの皆さんとともに、楽しみながら追跡していきたいと思います。





樋口 広芳     
プロジェクト全体統括
慶應義塾大学特任教授
東京大学名誉教授  


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